麻里のお母さんが
取り乱す前に、
私が取り乱していた。


「そん...な...
麻里...」


私はその場にペタリと
座り込み、肩を落とす。


麻里のお母さんも
これ以上無いくらいの
顔で医師を見、
何処かに行ってしまった。


私は...


廊下でただただ麻里の名前を
呟いていた。