その学校の帰り道。 『麻里の家』 とディスプレイに映しながら、 ヴヴヴと音をたてたのは携帯。 「麻里?」 『あ、南ちゃん。』 電話の向こうに居たのは 麻里ではなく、 麻里のお母さんだった。 「麻里のお母さん...」 『あのね... 今から用事がなかったら こっちに向かってくれない?』 静かに話す様子が声だけで 聞いてとれた。 「え、あ、はい。」 よくわからないまま私は 『じゃあ、お願いね』 と言う麻里のお母さんの 声を聞き終え、 すぐに下野家へと向かった。 本日二度目のインターホン。