【 ピーンポーン 】



「あ、吉野です」


少しの沈黙。


「はーい」


声が聞こえ、すぐに
接続されていた
インターホンは切られた。


下野と書かれた表札を
なんとなく見つめていたけれども、
あまりにも
出てくるのが遅かったので
もう一度インターホンを
鳴らそうとすると、
麻里が家から出てきた。


「おはよー」


「おはー」


「麻里、
また朝からゲームしてたの?
にしては今日はやけに
家から出てくるのが
遅かったじゃない。」


そう言うと麻里の
曇っていた表情が明るくなり、


「それがね!
ラスボスまで遂に行ったの!!」


パァッと顔を明るくし、
言う麻里につられて私も思わず微笑む。


「へえええ、
それで遣りまくってたって訳」