「勘違いするな、見逃してやる。
感謝するなら姉さんにしろ。」
「ありがと・・・。」
「これ、片づけておけ。俺は今から出かけてくる。
夕方までには戻る、ベンにもそう伝えておけ。」
「ベンって、誰?」
「俺の執事だ。専属メイドなら顔くらい合わせておけ。
今頃、中庭にいるだろう。」
「はい、承知しました。」
バタン!
はぁ~・・・
ったく、今日は忙しい日だ。
悪名高い王子のメイドになるし、人のこと勝手に調べてるやつはいるし・・・。
次はベンさんか。
中庭か~・・・、あそこに行くのも久しぶりだなぁ。
ユタ様についていたときは毎日行ってた。
ー1人空を見ると、自分がちっぽけに見えてくるー
そう、よく言ってたっけ・・・。
あのころは1人じゃなかったからそう思わなかったけど今ならわかる気がする。
いつも変わらないもの。
変わっていくもの。
なにが本当なんだろう?



