バルコニーの手すりに寄りかかりながら涼しい顔してそう言った。



「怪盗Diva。だろう?」


「・・・・。」



焦り、というよりは希望だった。
どうせ、あたしもことを兵隊に彼は差し出すのだろう。


どこか望んでいたのかもしれない。


この瞬間を、
普通の人間に戻れるこの時を。



「昨日、マスクをかけていたがわかったぞ。
怪盗ならもっとうまくしろ。少し見えていた。」



それは意外な答えあたしにとって意外な答えだった。

あたしを差し出せば出世レースをもっと有利に進められるだろうに・・・



「なんで、差し出さないの?
差し出せばいいじゃない?そのほうがいいんじゃないの?あなたのためにも。
それに、初めて会う相手に・・・バカじゃないの?」

言い過ぎた・・・。


「バカ・・・か。それでもそれは・・・、無理な話だな。
ミラ、前つかえてたユタを覚えてるか?」


「はい。覚えています。それが何か?」


「ユタは俺の実姉だ。
嫁いだ先の夫が立て続けに死んだ悪魔だろうが、死神だろうが関係ない。
姉さんがいってた、ミラに何かあったら必ず助けろと。
それに俺らはユタの庭園でなんかいかあってる。」


「嘘・・・・。」