「えっ、う、うん」 私たちは外に出た。 秋の夜に吹く冷たい風が私のほほを撫でた。 なんだか、急に寂しくなって涙をぐっとこらえ、俯いた。 「寒い?」 「大丈夫だよ」 太輔の声はとても優しくて安心した。 私たちは昼間の海に来た。 「太輔ってサーフィンやるんでしょ?」 「あぁ、波に乗ると気持ちいぞ」 太輔は続けた。