それでも きみが好き

　

「ねぇ、君、名前なんていうの？」

そういえばあたし、自分の名前言ってなかったっけ。

「加賀 桜(ｶｶﾞ ｻｸﾗ)って言います。大学2年だよ」

「桜ちゃんって言うんだ。僕と同い年くらいだと思ってた」
意外、という顔であたしを見る男。

「あ、あたしも貴方のこと同い年くらいかなって思ってたんだけど……え、違うの？」

「一応23なんだけどね……」

「…えーー!!嘘!」

「嘘ついてどうするのさ」
と男は苦笑い。

「ごめんなさい、あたし同い年くらいだと思ってめっちゃタメ口で話してました……」