「やっぱり公園はいいな～。」
気持ちい～。
きれいな空を観てると、自然に涙が出てくる。
ここは、私の唯一、落ち着ける場所。
私の好きな場所。
いつも夜、ここに来て泣くとスッキリする。
だから、ここにはよく来る。
「大丈夫？」
えっ。誰。男の人？
涙であまり見えない。
「・・・・・・・・・。」
なんて答えればいいの？
「となり、いい？」
「・・・・・・・・・。」
なんで、私のとなり？
変な人。
しかも、座ったし。
「何かあったの？」
なんで、話しかけてくるの？
「・・・・あなたには、関係・・・ないです。」
もう帰ろ・・・・。
立って帰ろうとした瞬間、
腕をつかまれて、
「しゅう」
「えっ。」
「二階堂宗。俺の名前。君の名前は？」
「・・・・鈴木・・・華恋・・・・」
「よろしく。華恋。」
暗くて、顔はよく見えなかったけど、
彼は、とても素敵な笑顔で
私の名前を呼んだ。
「・・・よろしく。」
私は、そう言って彼と別れて家に帰った。


次の日、私は昨日の夜に出会った彼のことはあまり気にせず、
いつもどうりに過ごした。
いつものように、家の家事を全て終わらせて、
いつもの公園に行った。

「はぁ・・・。」
最近よくため息つくな～。
あ。昨日の人・・・・
「今日は、さすがに来ないよ・・・ね・・・」
だって、ただの偶然だもんね。
そう思って下を向いた瞬間、
「今日もいるんだぁ～」
この声。
昨日の人だ。
私は急いで涙を拭いた。
「いつもここに来てるの？」
そう言って隣に座った。
「ここは、私の唯一の居場所だから。」
あ。言っちゃった。
なんか、恥ずかしい・・・・・。
「そっかぁ・・・・俺もよく来る場所なんだよね。」
え。
「ここに？」
「そう。なんかぁ、落ち着くっていうか・・・さ。」
そして、彼は空を見上げた。
でも、なんかわかる。
ここに来て、ここに座って、空を見る。
これをするだけで、落ち着くから。
「ところでさ、何かあったからここに来てるんじゃないの？」
「・・・まぁ・・・」
「俺でよかったら話し聞くけど。」
「え。」
「だって、１人で抱えると辛いじゃん。」
「そうだけど・・・」
「まぁ、無理にとは言ってないから、別に言わなくてもいいから。」
「あの・・・私・・・その・・・」
「ん？」
「私の両親が本当の両親じゃなくて・・・すごく意地悪で・・・」
「・・・そっかぁ・・そうだったんだ・・。」