キーンコーンカーンコーン
「華恋！今日どっか行かない？」
「ごめん。今日用事があるの・・・・・」
「そっかぁ・・・。わかった。バイバ～イ！」
「ごめんね。バイバイ」
急がなきゃっ。早く帰らなきゃっ。千重さんに怒られる。
はぁはぁ、はぁはぁ・・・・。

私の名前は鈴木華恋。
私は施設で育ち、１５歳で里親の鈴木家に引き取られた。
今は、聖青山学園の1年生。
鈴木家に学費を出してもらう代わりに、
私は家の手伝いをのているの。
家族そろって私を家政婦かなんだと思っているのかも・・・・・・・。

「ただいま戻りました。」
「あなた、今何時だと思ってるの！もうとっくに５時過ぎてるじゃない！
ぼけっとしてないで、さっさと始めなさい！」
「はい・・・・・・・・・・・・」
これ以上怒られたくないから、
早くしよ。
ドォーン。
「いったー。」
・・・あ、・・・・ヤバ・・・・・。
「なにすんのよ！いたいじゃない！」
「ごめん。」
「今の絶対わざとでしょ。」
「違うから。」
「絶対、許さない。」
「本当に、ごめん。」
「ふん。」
なんか機嫌悪いな。
でも、みくがおとなしく自分の部屋行くはずはない。
「あ。」
来た。
「はい。宿題。やっといてね～。」
やっぱり。
とにかく、早く終わらせよ。


「はぁ～・・・。」
やっと終わった。ベット気持ちいい。
みくの宿題も家事も、今日の分は全て終わった。
疲れるけど、こんな生活が始まって
もう半年になるから、
もうなれたかな。
もうちょっとで、明日になるし。
私が自由になれる時間は、
学校にいる時と夜だけでしね。
あ。空、きれい。星がいっぱい。
なんか癒される。
満月だし。
公園に行こっかなぁ。

カチャッ。
よし。リビングには誰もいない。
千恵さんは自分の部屋でドラマみてるから、
後30分で寝ると思う。
匠さんもこんな時間になっても帰ってこないって事は、
今日はもう帰ってこないって事だ。
私はそっと家を出て、公園に向かった。