今は、我慢だ。


負け惜しみともとれる言葉と未だニヤニヤする直弥を残し、同じ学校の制服と


隣の女子校の制服を着た生徒で溢れかえる道を歩き出す。





「ったく、直弥も何考えてんだか……」





ブレザーの袖を伸ばしながら、独り言を呟いたときだった。





「……あっ」





何かを見つけたような、そんな小さな呟きが聞こえて思わず顔を向ける。


するとそこには、一本入った路地からこちらを伺う小さな……


訂正、けっこう大きめの影。


ほんのりと頬を赤く染めた七原茅乃が、ジーッとオレに視線を送っていた。