周りからの視線をものともせず、颯爽と歩く七原茅乃の背中をボーッと眺めていると


1年の頃からの付き合いである友達の直弥(なおや)が、うんうんと頷きながらオレの肩にポンと手を乗せてきた。


県内でも有名な進学校では、直弥の茶髪はマジで目立つ。


だけど本人曰わく、生まれついての地毛なんだって。 嘘付け、入学したとき黒かっただろうが。


肩に乗せられたら手を振り払いながら、オレはポツリと





「気になるなら本人に直接聞いてくればいいじゃん。 彼氏いるんですかーって」





そう言ってフワッとあくびをすれば、直弥が「馬鹿野郎!」とか言ってバシッと背中を叩いてきた。


ちょ、待っ……マジ痛い。