「会えなくても、好き………」


そう呟いたかと思うときらきらとした瞳になる。



「その人は幸せですね!橘さんにそんなに想われて。―――私も今、好きな人いるんでなんか勇気出ました!ありがとうございます」


美紅ちゃんはそう言ってはにかむように笑った。
あんまりにもかわいい表情に私もつられて笑ってしまう。



「うまくいったら教えてね」


それを聞いた美紅ちゃんは頷いて自分の席に戻っていく。


私はそれを見送ると指輪に目をやると、竹中さんの声を頭の中で再生させながらそっと撫でた。