迷ったあげく、それでも手紙の最後にそう書き綴る。 喜ぶだろうか。 怒るだろうか。 泣くだろうか。 いなくなる男からの愛の言葉なんて。 『愛している』 ―――愛している。幸せになれ、とその紙に口づけを落とした。 次の瞬間、辺りは闇に包まれていく。 時間切れか、と俺は目を閉じて唇を噛んだ。 もしまた会えたならそのときは二度と離さない。そう思いながら、俺の意識は溶けていった。