「半兵衛、…よく戻ったな」


秀吉公の自室に招かれた俺は深く頭を垂れて主君の声に聞き入った。



「勿体ないお言葉にございます。今日よりこの竹中半兵衛、再び秀吉公の御為に邁進する所存にございます」


「うむ、儂もそのつもりよ。………さて官兵衛、主役も揃ったところであるし小田原攻めについて話を進めるか」


「小田原…」


このときすでに西国は大方我らに降伏の意を示していた。あとは東国を屈服させることができれば秀吉公の悲願である天下統一が完了するのだ。


その知略存分に奮ってもらうぞ、と秀吉公が俺の肩を叩く。


―――戻ってきたのだ。