―――どのくらいそうしていたのか、私はふらつく足取りでリビングに向かった。 余りに急で涙も出てこない。そんな薄情な自分に苛立ちながらもソファに倒れ込んだそのとき、テーブルに紙が置いてあるのが見えた。 「…手紙?」 起き上がりそれを手に取る。 「まさか」 竹中さんが書いたの!? ―――そこには、いつの間にマスターしたのか楷書で書かれた綺麗な字。 私は震える手でそれを掴み、逸る心を抑えて読み進めた。