「………帰っちゃった…」


ぽつり、とそう呟いても誰も返事をしてくれない。


独りだ。また独り。
竹中さんも、もういない。



「なんで―――…」


本当なら喜ばなきゃいけないんだ。
だって竹中さんは戦国時代に必要な人で、きっと竹中さんが戻ったことで喜ぶ人がたくさんいるんだから。
そうだ。病気も治したんだから、きっともっと長生きできるよね?




…でも、だからってこんな急に。
こんなに簡単に行ってしまうことないじゃない。


さよならも言えてないのに。