無防備な表情でそう答える竹中さんに私は小さく笑いながら、鍋に視線を向けた。



「お薬飲んでもらいたいんですけど、ご飯食べれますか?すぐにできあがりますよ」


あぁ、とだけ答えて竹中さんはふらついた足取りでトイレに向かう。
………あれ?


さっき、名前で呼ばれた?


今まではずっと“お前”だったはず。
でもさっきははっきりと“あかり”って………



「……………!」


意識した瞬間、一気に顔が熱くなった。
竹中さんは美人だけど間違いなく男の人で、そんな美人に名前を呼ばれる経験なんて皆無な私は。


たまらなく、照れた。