策を練り刀を血で濡らす。全ては我が親愛の主のため。
…疑いようもないくらいの軍師としてのそれを、なぜか今日は鞍上で自身に言って聞かせるように思い描いた。


一揆を企てた集落まであと少し。首謀者は殺さねばなるまい。


色鮮やかな景色にも一切心を動かされることのない俺を突き動かすもの。
今はそれのためだけに、手綱を強く握った。










「…竹中様だ!」


先行していた部隊のもとに到達する頃には、首謀者は皆捕らえられ縄を掛けられていた。
俺の到着に気づくと、首謀者達は一斉に表情を凍てつかせる。