俺はそっとあかりの身体を横抱きにした。その身体は細いくせに女特有の柔らかさがある。


触れた瞬間、状態がよくないことに気づいた。


なんでここにいる?
…そう聞きたくても、高熱のせいかだいぶ衰弱して眠り続けるあかり。



「―――熱がある。女中を起こして私の部屋に来るよう伝えてくれ」


「…恐れながら半兵衛様、その女は一体…?」


石田は心底大事そうに不審者を―――あかりを抱く俺を見て混乱しているようだ。
俺はそんな石田に小さく笑い、こう答える。






「―――妻にしたい女だ」