―――――ぱち、ぱち。


松明の燃える音に私は視線をあげた。
本当なら身体ごと起こして様子を伺いたかったのに、鉛のように重くなった身体はいうことをきかなくて。



「女、何か話す気になったか」


刺々しくそう言い放つのは先ほどの男の人。名前はわからないけど、もしかしたらこの人も未来に名を残す武将だったりするかもしれないのね。



「………だ、から…竹中さん、に」


「貴様如きが軽々しくその方の名を呼ぶな!」


狭い地下牢に反射する怒声が頭に響く。
どういうわけか一気に体調を崩している私は、その声でさらに気落ちしていく。