「―――私が行かなければならないような気がするのだ。それに万一戦か始まっても、小田原北条とは官兵衛の方が交渉も滞りなく進むはず」 よろしいでしょうか秀吉公?、と確認を取ると肯定の返事が返ってくる。 「では行って参ります。すぐに戻りますので」 俺はそう挨拶をすると本陣を出て馬に飛び乗った。 城までは二日はかかる、その間に戦が始まることもないだろう。 …それ以上に、今はこの胸騒ぎを沈めなければ。 城に戻れば全てがわかる。 日の沈む方へ、俺はただ無心に馬を走らせたのだった。