「―――――曲者だ!」
その声に私は意識を取り戻す。
瞼を開けて辺りを見渡せば、私を囲むように見下ろす見慣れない姿の男の人たち。
…どこ、ここ?
「くノ一め!秀吉様や官兵衛様、半兵衛様のいらっしゃらない時に忍び込むなどいい度胸だな」
くのいち?…って女忍者のことだよね?
そこではたと状況に気づいた私は声を上げた。
「わ、私忍者なんかじゃありません!」
「喧しい。―――この女を牢に!」
日本刀を喉元に当てられ、私はそれ以上なにも言えない。両腕を掴まれ引きずられるように地下牢に連れて行かれたのだった。