何か倒れた?…いやいやいや、そんなもん置いてない。 じゃ泥棒?…だとしてもどこから入ってくるのよ、ここは5階だよ。 「な、なんだっての…」 どんなに怖い思いをしても、もう助けてくれる彼はいない。 震える身体に気合いを入れて、私は寝室に足を向けた。 「―――な…」 静かにドアを開け、そっと中の様子を覗くとベッドの上には男の人が倒れている。 その手には鞘に収まった日本刀が握られていた。