---屋上---

  ギーー

  重たいドアを開けると、太陽の眩しい光が私の目に飛び込んできた。
  (眩しい!)

  屋上を見渡すと海がフェンスに寄りかかり空を見ていた。

  「海。」

  海は私を見てにっこりと微笑んだ。

  「咲やっと来た。待ちくたびれちゃったぜ。」

  「嘘だー。だって、昼休みになってまだ五分も立ってないよ。」

  「だって俺、四時間目サボったから。」

  「なるほどね。で、用は何?」

  そう私が訪ねると海は真剣な顔つきになり、私の目をまっすぐと見つめてきた。

  「な、何よ。」

  「咲、本気で答えてくれよ。」

  「う、うん。」

  私はごくりとつばを飲み込み海の次の言葉を待った。

  「如月リア達にいじめられてるって本当か。」

  「!!」

  驚いた。何で海が知っているのかわからない。そして、知られていることえの悲しさが私の心の中に湧き上がってきた。泣きたくなった。でも、知ってくれていることへの嬉しさもあった。だけど、うなずけない。うなずいたら、もっといじめられるから。なのに海は・・・ 

  「やっぱり本当なんだな。そして、きいなや優斗にも言ってないんだろ。」

  この時、私は思った海はすべて知っている。嘘はつけない。

  「ねぇ、本当のことを言ったら私のことを助けてくれる。」

  「あぁ。お前を助けるよ。」

  この一言で私は今までのことすべて海に話そうと。