「………あった!!みぃ、3組だ」
何とか人を掻き分け、大きな紙に印刷された、自分の名前を見つける。
<三組>と書かれた枠の中に、私の名前があった。
「アユは…あった、5組だ」
アユの視線を辿ってみると、確かに<五組>の枠の中にアユの名前があった。
あぁ…アユと離れちゃった。
だけど一緒になれる確率の方が少ないだろうし、ここは我慢我慢。
「もう移動しよっか、人多いよ」
クラスに誰がいるのか、調査しておきたいところだけど…人が多すぎだ。暑苦しい。
私とアユは一足先に教室に避難することにした。
「…そーいやアツシは何組だろ?」
教室に続くと思われる、慣れない階段を登りながらアユが思い出したように言う。
「えっ、アツシ君も北高なの?!」
初耳だよ。
「あれ、言ってなかったっけ?やっぱ高校も一緒がいいじゃん」
嬉しそうに答えるアユ。笑顔が眩しい。
「見たいし、いたら教えてね」
本当に、見たい。なんでコンビである私が、アユの彼氏を知らないんだ!!駄目だめ。
「了解~!!…あれ、ここじゃん?」
階段を上がってすぐの、1―3と書かれた教室の前で足を止める。
無事教室についたようだ。

