「ひろき……?」 思わず口にした私の前で、杉坂先輩は切なそうに眉を歪める。 「ああ。俺の親友のなんだ。 ……と言っても、もういない存在なんだけどね。 形見。親御さんに頼んで譲って貰ったんだ」 「先輩の親友って……もしかして…… 佐倉大貴……ですか?」 「そうだけど……え!どうした?」 途端に涙が溢れ出して、私は思わずしゃがみ込んだ。 「私の……彼氏……だったんです……」