あれから…


大貴がいなくなってから、もう二年が経とうとしていた。


私は大貴が通っていた大学に見事合格し、念願の大学生になった。


大貴が歩いた校舎。大貴が見ていた景色。

共有出来る嬉しさをかみしめながら、一人桜舞い散る中を歩いていた。



大貴もこの桜見てたかな…



「君さ、写真とか興味ない?」


急に声をかけられて、振り返る。

「え…写真ですか?」


「あ、ごめんごめん。サークルやってるんだ。随分桜眺めてたから、好きかと思ってね。」


ナンパじゃないからと、慌てて付け足した。