俺はごく普通の毎日を過ごしていた。

大学には友達もいて……その日も遊ぶ約束をしてたんだ。


原付にまたがり、友人の家に向かう途中、突然後ろからトラックに突っ込まれ、俺の身体は宙を飛んだ。


気が着くと、そこは病院で、俺は、俺自身と、俺を泣きながら呼び続ける両親の姿を見ていた。


信じられなかった。

今、俺の目の前に広がっている光景は幻覚なのかと。


「親父!!お袋!!」


何度も何度も叫んだけど、まるで見えない壁が邪魔をしているかのように、俺の言葉も、姿も届く事はなかった。