翌朝――

いつもと変わらない朝がやってくる。


変わらない教室に、変わらない友達との会話。

そして、校門の前で待つ、いつもの大貴の姿。



きっと悪い夢を見ていたんだ。


大貴に話たら、きっと「縁起悪い夢見るなよ」って笑うに違いない。




私は隣を歩く大貴にそっと話かけた。

「昨日ね、私、変な夢を…」

「夢じゃないよ」


大貴の言葉が、私の言葉を一瞬で飲み込んだ。


「昨日、お袋と話しただろ?で、見た筈だ…俺の遺影…。」


大貴の真剣な瞳に、私は全身の身の毛がよだった。

「な、何言ってるの?だって、大貴はちゃんと此処にいるよ?」


私は思わず繋がれた手をキュッと握った。


「…話さなくちゃいけない日が、遂にきたんだな。」


大貴はそう呟くと、ゆっくりと口を開いた。