「なぁ、泣いてんの?」


話しかけたのは好きだから。

ずっと好きだった。

けど、君は俺以外の奴を好きなんだ。

知ってたけど、辛いよな。


「なぁ、泣いてんのか?」

そう聞けば、君は首を横に振った。

苦しくなった。

俺を好きになれよ。

どんなに思っても届かない。

ならば、せめてチョコだけでも。

そう思った。


「それ、俺に頂戴」

君の持っている小包を指差せば、戸惑いを見せた。

そりゃそうか。

好きな奴に渡すはずだったもんな。