「なんの紹介だよ?」


椅子に座り荷物を鞄から出しながら私を見る。


いや、なんもないし……そんなの……。


「なんもないけど……」


麗奈ちゃんがちょっと冗談言おうとしてただけだよ、って蒼空に言おうとしたら……。



「兎ね、瀬名先輩と付き合うことにしたんだって」


「…………」

「…………」



……へ?


ニッコリと笑ってる麗奈ちゃんに私はみるみる顔が青くなるのがわかる。



「ちょ、麗奈ちゃん……!」


なんで、嘘言ったの!って言う前に私の口の前で人差し指を立てられ静かにサインを出された。


蒼空が勘違いしちゃうよ!?




「お、ま……本当か……?」



横ではポカンと私の方を見ている蒼空。