琉稀に気を取られて全く怖いとか感じてなかった。


「琉稀……ありがとね?」



やっぱり琉稀って優しいよね……。


私に合わせて歩幅合わしてくれたり、私の乗りたいものを優先してくれたり、さっきみたいに慰めてくれたり……。


琉稀の扱いが私を好きだよって言ってるように見えてなんだかドキドキする。

そして、素直に嬉しい……って思うの。



「じゃあ、お礼はキスで」


なんて、急に真面目な顔して言って来たから私の顔から火が出そうになる。


なっ……!


「りゅ、琉稀それはもうダメ!」


キスするのは禁止です!!


ちょっとだけ顔を近づけて来たから手で口の前でバッテン作ってジェスチャーする。


「……なんで?」


ぐはっ……今度は捨てられた子犬みたいな顔してくる……。


ま、負けるな私……!