「ご…ごめんなさい」

先輩達の冷たい視線が突き刺さる

「お前分かってんの…?
一ヶ月後試合なんだぞ!?」

「ごめッ…」

「謝ってすむ問題じゃねーんだよッ!!!!」

怒鳴りつける先輩達に私はとうとう泣き出してしまった

「もういいから…葵…手貸して」

「ふッ…黒崎…?」

黒崎は私に手を差し出した

「うん…」

私はその手をとって黒崎を部室に運ぶ

必死だったから…


その時
黒崎が唇の端を引き釣らせて笑っていた事なんて気付かなかったんだ…


  □


「…痛む?」

「…ちょっとな…」

捻ったはずの右足は
そこまで腫れてなく、
これなら試合までには間に合うだろうと私は安心していた


「…ごめんね」

「………」

「黒崎…?」

返事のない黒崎の顔を覗き込む


「許すと思ってんの?」

「え?」

グイッ

突然顎を捕まれた

「―――なッ!!」

「許さねーし」

――…え?


黒崎は鋭い眼光で私を捕えた

「お前…

今日から俺の奴隷な」