不機嫌な私は球拾いをしながら愚痴を溢してした


「だいたいなんであいつはこんな弱小テニス部に入ったのよッ」

お世辞も言えないほど
ここのテニス部は弱小だ


団体戦に出ればストレートで負けるし、
地区大会一勝する事もままならないようなテ二ス部


そんなテニス部に才能のある黒崎がなぜ入ったのか私には理解できなかった

「あんなやつ!!どうでもいいけどねッ!!」

私は
ボールの入ったかごを勢いよく地面に下ろした


ゴロゴロ…

「わッ!!!」

勢いよく下ろしたせいか、
上の方に積んでいたボールが地面に転がってコートの方に転がっていった

「あッ!!!!危ないッ!!!」
「え…?」

グリッ


「―――ッ」

コートの中でプレーしていた選手が足を抱えて倒れる


「く…黒崎…」

――どうしよう…私のせいで…

ボールを踏んだ黒崎が足を捻った