それは練習中に起きた

黒崎が怪我をしてからちょうど1週間…

黒崎は相変わらず見学で…私は相変わらず黒崎の奴隷をしている


どうやら黒崎が先輩達を説得してくれたらしく、先輩達とのわだかまりもとけたようだった


「じゃぁ今からスマッシュの練習しますよー」

私はピーと笛を吹く

その音に次々スマッシュを打つ先輩達…


その姿をジッと見る黒崎はつまらなそうだった


まったくもー…

私は横目で黒崎を睨む

「あッ!葵ちゃんッ!
危ないッ!」


……え?

私は突然声を荒げた先輩の方を見た


黄色いボールが勢いよく私に向かって飛んでくる…


スローモーションみたいだけどよく分かった…




…このままだったら当たる!


私は反射的に目をギュッと閉じて頭をかばった

「―……あれ」

痛くない…


音もしない

私は恐る恐る目を開けた

「……く…ろさき?」

目の前には黒崎がいた…

黒崎が…かばってくれた…?

「いってーッ」

「だ…大丈夫?」

「じゃねーよ…普通に…」

止めてくれた右手は真っ赤に腫れていた


「ご…ごめん」


黒崎がかばってくれた…

…ん?