とある学校の
第2テニスコート

我が弱小テニス部は
今日も黄色いボールを弾ませていた

「七瀬ー…タオル頂戴」

「あ、はぁい」

七瀬と呼ばれた少女は真っ白いタオルを手渡す

「あ、俺も」

「俺にも頂戴」

「はいはぁいッ
ちょっと待って下さいね」

私"七瀬 葵"はこの
弱小男子テニス部のマネージャーである。


部はあっても実力はない。

それがこの部の現状でありました。


「葵ちゃん、次タイム測ってくれる?」

「はい、キャプテン」

そして今日も私はマネージャー業(雑務)を果たす


「お、今日も黒崎絶好調だなぁ」

「え?」

ふと、キャプテンの視線の先に目を移した

パコーンッ

"ラブサーティー"

パコーン

"ラブフォティ"

パコーン

"ゲームセット!!勝者黒崎"

審判が右手を挙げると同時に回りからは
拍手と黄色い声が湧き出す