<キーンコーンカーンコーン>
チャイムが鳴ったとたん、教室がとたんに騒がしくなった。
昼休みだ。
  
  「れ~ん~!お昼た~べ~よ~!!」
  「はいは~い、今行くから待ってて」

ここは桜岬学園の高等部。何かと頭のいい私立の学校。
蓮はここの学校の生徒。腰より少し長めの漆黒の髪を首の後ろで括っている。
絶世の美女なのだが本人自覚なし;;
  
  「相変わらずラブレターの数が多いこと」
  「相変わらず誰にもOKしないよね」

蓮は親友である桜と美亜と昼食を食べている。
教室の窓際を占領しているので、春はぽかぽかと日の光が暖かい。
  
  「あたしのどこがいいんだか・・・」

何十もののラブレターをながめながら蓮はため息混じりに呟いた。
  
  「自覚なし??」
  「今更始まったわけじゃないよ」

桜と美亜もため息混じりに呟いた。
  
  「そういえばさ、歌作れた??」
  「ああ、うん作ったよ」
  「今回は何がテーマ??」
  「道・・・かな?」

あたしは、暇さえあれば歌を作っている。趣味のうちに留めているのに、いつの間にか頼まれれば作るということをしていた。・・・めんどくさい。

  「歌って!!」
  「だ~め。まだ練習してないの。美亜も目を輝かせない!」
  「「え~~~~~~~~っ」」
  「え~じゃなくって・・・近いうちには聞かせられるようにするからさ」
  「「う~~~~~~~ん・・・」」


あはは・・・;納得してないし・・・。まぁ、前もこんな感じではぐらしたし・・・。
今回ばかりはこうもいかないか・・・。




放課後、蓮は歌を練習するため屋上にいた。2人に聞かれても良いくらいにはしないといけない。

  「めんどくさいなぁ、まったく・・・」

こう文句を言っていてもどこか楽しそうだった。桜と美亜は、唯一無二の大切な親友なのだから・・・。
蓮はすぅと息を吸うと、風に乗せるように口ずさんだ。