貴方とともに・・・

元の席に戻ってくると、自分の歌詞を見ている人がいた。

確か・・・前の席にいたような・・・ってそんな事はどーでもよくって、歌詞を返してもらわなきゃ!
趣味のうちに留めているのに、見られるとなると恥ずかしい!!!

  「あ、あの?」
  「ん??」

ん??って・・・。
マイペースだなこの人・・・。

  「その紙・・・えっと・・・」
  「君のだよね??いい詞だと思うよ。ゴメンな勝手に見て。じゃあな」

“彼”は席を立つと帰っていった。
同じ学校の制服を着ていたから、同じ学年か先輩だろう。
その人はあたしのこと知ってたと思うし・・・。
なんか疲れた・・・今日は帰ろ・・・

蓮はスーパーで買出しをし、まっすぐ家路についた。


  「・・・おやすみ、母さん」

棚の上においてある写真に向かってそう言うとベッドに入った。

蓮の母は3歳のころに病気で亡くなった。
瑠璃の宝石がついた指輪が形見として残っている。
それは、チェーンに通し自分のサファイアのついた指輪と共に首にかけている。
命の次もしくは命よりもに大事と言っても過言ではないほどの宝物だ。

父は今大企業の社長として海外に住んでいる。
なので、今住んでいる家は蓮のものと化している。
ただ、一人で住むのには大きすぎるが。。。