鬼の姫君

「ハァーァ。何だか今日は嫌な感じがするなぁ・・」



「どうしたの総司君？」


総司君がそんな事を言うなんて珍しい。彼は何時だって笑みを絶やさず飄々としているから、空を見ながらそんな顔をするのは珍しい。



「・・嫌な気がする。美里ちゃん、念のため今日は道場から出ないでね」



「・・うん？」


総司君が言うなら、守ろう。それに何だか私も胸の辺りがざわつく。



これは、不安から来るものなんだろうか？それとも・・もっと別のもの？



「おーい！二人とも速く来いよー」


いつの間にか私たち二人よりも先に行っていた佐之さんがこちらに向って大きく手を振っていた。


「全く、暢気だなぁ。佐之さんは・・」


苦笑しながら佐之さんの所へ行く総司の後を付いていきながら・・・


ソッと空を見上げた。



雪、降らなければいいけど・・・


そんな事を思いながら＿＿＿＿