鬼の姫君



 濃紺の布を目元まで深く巻きつけ




  闇に溶けるような漆黒の着物




 肩に乗っているのは小さな白色の獣




絶対に見たことも会った事もないと断言できるのに





 何故か私は、この人を知っている気がした