鬼の姫君

「相可ッ、後ろだ!!」


此方(コナタ)から斉藤さんの叫び声が聞こえた。



「・・え?」




それはとてもゆっくりとした時間に思えた。



何もかもがゆっくりで、ヤツラの1体が私に襲い掛かることも



私が咄嗟に目を瞑ったことも



全てがゆっくりゆっくりとした時間だった。



私、コロサレル・・


頭の中では、ハッキリと"死"を覚えた。


だけど、次に聞こえたのは聞いたことも無い、誰かの声。