鬼の姫君

「美里、大丈夫か!?」


刀を抜いて戦う平助君の後ろを走りながら荒い息で返答する。



「なん、とか!」



買い物を済ませてさぁ屯所に帰ろうと言ったとき、ヤツラは現れた。



一般的に『妖怪』『妖』『化け物』と呼ばれる類のヤツラ



その容姿は様々で真っ黒で巨大なものから複雑怪奇なものまで様々だ。



そして私は、そんなヤツラに何故か昔から狙われる。



それが家系の所為だと言うことは父に言われて知っていた。


しかし数年前にある事件が起こり、父は私を数人の護衛をつけて家から遠ざけた。


家から遠く離れた場所なら何処でも良かったらしい。


護衛と供に旅を続けていた私だけど、一人、また一人と護衛はヤツラに殺されていった。