「でさっ遥 今日の仮入部どうだった?」
仮入部期間は短いわりに部活が多い。運動が得意な舞華は運動部中心に回っていたが、私の話にも興味があるようだ。
運動が苦手な私は数少ない文化部に入るしかない。
ただ…吹奏楽を続けるかどうか悩んでいた。
昔は昔
分かってるけど…
「今日は…美術部行ってきた。」
「えー遥吹奏楽決定じゃないのー!?」
「うーん続けるかどうかわかんない…」
コップに注いであったサイダーの氷がピシッと音を立てた。
私は浮いてくる泡を眺める。
「なんだよ~あんな上手かったのに」
この前咲いたばかりの桜はすでに半分ほど散っていた
わくわくする出会いの季節はもうすぐ終わる。
私は迷ったまま…

