「はるか」
せんせいのはなしをみんな聞いているようで聞いていないざわめきの中、しょうたの声が聞こえた
「なあに」
「今日、いっしょにかえろ」
しょうたはいつも友だちとかえるので わたしをさそってくれるのはめずらしい。
外はまっしろだった
「はるか、みて」
手のひらにのせた小さな雪だるま
「すごい しょうたににてるね」
「ちがう はるかににてるよ」
わたしは はっぱでくるんで見せた
「さむいから、おようふく」
「そうか、そうすればあったかいね」
手のつめたさなど気にならない
ぜんぶがたのしくて
たのしくて

