君みたいな男子は苦手だ。

男子とも女子とも気軽に喋る君が
遠い存在だった。


私はそういう人に話しかけられても上手く喋れない。

あまり君とかかわりたくないと思った。





蝉の鳴き始める季節。

「大丈夫か?ww」

その手は私が落としてぐちゃぐちゃになってしまった楽譜を拾い集めてくれた。


「あ…っ ありがとう」

短くお礼を言い、それを受け取る。


女の子たちが君の周りに集まる理由が分かった気がした。

君の笑顔は卑怯だ。

正面から一瞬見た笑顔が、君が背を向けて歩いて言った廊下に残像となって残った。



今 私に笑った…。