「柏南って吹奏楽全国レベルの超強豪校じゃん!!なんで迷うの!」


南中とは夏の地区コンクールで何度か戦ったことはあるけど、

いつも私の学校、宮原中は銅賞で

柏南はダントツの金賞。そこからずんずんと突き進み、

毎年全国トップ10には入る、憧れの学校だった。


「まぁ…人にはそれぞれ抱えてるものがあんだよ」



「おい 笑えよそこw」

「え…なんか重く感じたw」

「なに信じてんだよ!嘘だってww」

櫻田くんの顔が、今一瞬だけ神妙な顔に見えた。

気のせいかな…


マサがなにやら疲れ果てた様子で戻ってきた。

「雑用やらされたんだけどーー最悪ー!!」


櫻田くんは普段と変わらない様子でマサのだらだらと長いグチを聞いている。


気のせいか。

ああやって女子を楽しませるものなのかな…。

もう。どっから冗談なのかほんとわかんない。


やっぱ苦手…。