「なにしに来た、瀬戸」


「なにって、大好きな彼女に会いたくなって…」


「………。」


「ちょっと、そんなに睨むなって~」


口に歯ブラシをくわえたままジャージ姿でマンションの玄関から顔を出すナツ。


いつもはキリッとしている目も、少しトロリとしていて
ストレートの長い黒髪には寝ぐせがついるため寝起きだと分かる。