突然のことで呆然としながらもガサゴソと中を開けて ナツの不器用な優しさに目を細めた。 (不機嫌な理由がやっと分かりましたよ~) 「ナ~ツっ。ナツ」 「(無視無視無視無視。)」 食器を洗っているナツを後ろから抱き締める。 「ナツ~さっきのって俺のこと心配してくれたの?」 「……別にそんなんじゃない。」 少し俯くその頬は少し赤く染まっている。ナツの腰に回す腕に思わず力を込める。 「じゃあ何でマフラーくれたの?」 思わず頬が緩む。 ナツがくれたもの… 黒いマフラー。