溺愛story



「ナツ、俺なんかした?」

「………。」

「ナツ、」


少し語尾を強めた自分の声が沈黙の中に響く。


他に聞こえるのはテレビの陽気な声だけ。


「………ナツ?」


ナツは無言で立ち上がり、
今日買ってきたものが入っていると思われる袋をバンッ。俺に投げつけた。


「うおっ!?ナツ!?」


「今、何月だと思ってんだ!?
今度そんな薄着して風邪ひいたら海に沈めるからな、ハゲっ」


言い切るとサッサと食器をもってキッチンへ向かったナツ。