そこにある宇宙

 疾風の説明を、ルイは生返事をしながら聞き流していた。

(こいつ、どこまでバカなんだか)

 もちろん、疾風がルイのそんな思惑に気づくはずもない。

「機材はほぼ完全に自動化してあるから、オペレーターと言ってもやることはほとんどないんだけどな」

 そう言って示すラジオ局にありそうな操作席には、確かにボタンやレバーは全くと言っていいほどついていない。

「これだったら、オペレーターなんていらないんじゃないの?」

 ルイも多少は興味をひかれたか、操作席を見やる。